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愛媛県がん診療連携推進病院の指定を受けて

院内がん診療支援センター長
医務局長・肝胆膵外科部長
  石川正志

当院では、厚生労働大臣が指定する「がん診療拠点病院」の機能を補完し、専門的ながん医療の提供や地域のがん診療の連携協力体制を担う病院として、平成23年11月1日付けで『愛媛県がん診療連携推進病院(がん診療連携拠点病院に準ずる病院)』の指定を受けました。

 がん診療連携推進病院の診療機能として、

@わが国に多いがんである肺がん、胃がん、大腸がん、肝臓がん、乳がんの5大がんと、その他のがん(当院では子宮がん、卵巣がん等の婦人系がん、前立腺がん、腎盂尿管がん等の泌尿器系がん)において、手術・化学療法・放射線治療を効果的に組み合わせた集学的治療と緩和ケアを提供すること。

A各学会の診療ガイドラインに準ずる標準的治療を、がん患者に応じ適切に提供すること。

Bわが国に多いがんについて、クリティカルパス(診療計画表)を整備すること。

Cがん患者の病態に応じた適切ながん医療を提供できるよう、キャンサーボード(手術、放射線治療及び化学療法に携わる医師と専門を異にする医師等によるがん患者さんの症状病態及び治療方針等の検討や確認するカンファレンス)を設置すること。

D外来において化学療法を提供する体制を整備するとともに、がん患者の急変等の緊急時に入院できる体制を確保すること。

E緩和ケアチームを整備し、がん患者に対し適切な緩和ケアを提供すること。かかりつけ医の協力・連携を得て、主治医、看護師及び緩和ケアチームが、退院後の居宅における緩和ケアに関する療養上の説明や指導を行うこと。

Fがん診療連携拠点病院や地域医療機関からのがん患者の紹介を受入れ、患者の状態に応じ、それらの医療機関に紹介するなどの連携や協力体制を整備すること。

Gわが国に多いがんについて、セカンドオピニオンを提示する機能を持つか、又は施設間連携により対応できる体制を有すること、などが規定されています。


診療従事者については専門的な知識及び技能を有する医師やコメディカルスタッフ(認定看護師、薬剤師等の専任医療技術職、医療心理に携わる者など)の配置が義務付けられおり、また、医療施設については専門的ながん医療を提供するための治療機器(各種がん治療機器及び放射線治療装置など)、治療室(外来化学療法室など)を設置しているとともに、がん患者さんやその家族が心の悩みや体験等を語り合うための場(顔晴れサロン、患者会、患者相談室など)が設置されていることとなっています。

 さらには、がん医療に関する市民やかかりつけ医等に対する研修の開催、がん診療研修会への積極的な参加や、院内外におけるがん登録の実施も重要な要件となっています。

これらの指定要件を満たし、さらに地域住民のがん医療の充実を図るため、当院では『院内がん診療支援センター』を設置しました。

当院の支援センターでは診療科を横断的に支援し、手術(中央手術室)、化学療法の提供(外来化学療法室)、放射線治療の提供(リニアック室)、緩和ケアの提供(緩和ケアチーム)、病病連携・病診連携や地域連携パスの提供(地域医療連携室)、院内外がん登録(診療情報管理室)、がん患者相談支援の提供(顔晴れサロン、患者会、患者相談室)、セカンドオピニオンなどについて、多職種によるチーム医療を推進し、院内で一貫したがん診療体制の充実を目指しています。

四国中央市のがん診療においては、がんの治療のため他の地域の医療機関へ患者さんが“わざわざ”受診することも多々ありました。しかし、特殊ながんや特別ながん治療を除き、地元での治療やフォローアップが充実され、診断から治療まで全てが完結すれば、患者さんやその家族の負担がかなり軽減されることと思います。地元の方が、安心そして安全な治療が受けられるよう、医療の質の向上と標準化を促進するとともに、患者さんやその家族の方のメンタルサポートにも尽力いたします。
医療の質の向上のため、新しい手術手技や治療装置の導入、さらに専門領域の人材の拡充を図り、各診療科で全国の標準的な治療を受けることができるよう努めています。
当院は、がんの早期発見から集学的治療や術後フォローアップさらにターミナルケアを含めた緩和医療の提供まで一貫した医療体制がありますので、この機能を充分に発揮し、この地域のがん医療水準を向上することが非常に重要であると考えています。

しかし、がん医療は一医療機関で全ての治療ができるわけではありません。がんにも様々な臓器別がん種があり専門分野や領域が細分化され、また、治療方法も日々進化し、多くの治療法の中で適切な選択が必要となります。治療には長い年月を要し、身体的経済的な負担がかかり、多くの問題点や様々な状況が発生してきます。病院として最善の医療を尽くし、患者さんやその家族をサポートしていかなくてはなりません。
そのためには、県内外の領域別専門病院との医療連携や地元かかりつけ医、行政機関等との連携や相互協力、患者さん・家族とより綿密な対話と相互理解が必要になってきます。登録医の先生方にもご協力いただきながら、がん地域連携パスの運用、急変時の対応、フォローアップなどについてより一層の検討を重ね、当院を介したがん医療連携を強化していきたいと考えております。

地域医療に貢献できる病院として、院内がん診療支援センターから地域へ様々な情報を発信し、地域住民の信頼を得るために更なる努力を継続していきたいと考えています。

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