泌尿器科

【診療内容】

現在、常勤医不在のため、泌尿器科専門医が水曜日の午前中に外来診療を担当しています。
泌尿器科で治療する疾患としては、腎臓から尿管・膀胱・尿道にいたる尿路と、前立腺・精巣・陰茎などの男性生殖器、さらに副腎や後腹膜の疾患があります。
実際に泌尿器科に受診される状況として、例を挙げてみます。

人間ドックの血液検査でPSA(前立腺特異抗原)値の異常を指摘された。
・痛みは無いが、真っ赤な尿が出るのに気付いた。
・検診で尿潜血を指摘された。
・検診で蛋白尿を指摘された。
・排尿する時や排尿の後に痛みがある。
・尿が出にくい。
・夜間に何回もトイレに起きる。
・排尿した後もスッキリせず、まだ尿が出そうな感じが続く。
・尿意をもよおすと我慢できなくなる。
・くしゃみをしたり、重いものを持った時に尿が漏れる。
・尿道から膿が出て、痛い。
・陰嚢部や陰茎部に痛みがある。
・陰嚢が大きく腫れてきた。
・持病で内科や外科に受診した際に撮影したCTやエコー検査で異常を指摘された。

次に泌尿器科で診断・治療する代表的な疾患を挙げてみます。

膀胱炎;おしっこする時に痛い。直ぐに行きたくなる。残った感じがする。などの症状が出ます。抗生物質の内服で治ることが多いです。一般的には女性に多い疾患で、水分をしっかりとることとおしっこを我慢しないことが大事です。

腎盂炎;発熱と腰部痛が主な症状です。点滴と抗生物質で治療します。軽症なら外来治療が可能ですが、入院が必要な場合もあります。

腎結石・尿管結石;背部痛、側腹部痛、血尿が主症状です。薬物で排出を促しますが、1cm以上の結石は自然排出されませんので、何らかの砕石処置が必要になります。体外衝撃波など砕石機器の整った施設へご紹介させて頂きます。

前立腺肥大症;男性特有の病気です。おしっこの回数が多くなる、出にくくなる、残った感じがする、夜間の尿回数が増える、などの症状が出ます。新しい薬が出てきて、以前に比べて手術する必要のある方は減ってきました。薬物療法で効果が十分でない方には、尿道からの内視鏡で前立腺を切除する方法で治療します。この場合は、半身麻酔と数日間の入院が必要になります。

前立腺癌;触診やPSA検査で異常があれば、MRIで前立腺内部の状態を検査します。確定診断するには、前立腺生検(細い針で前立腺の細胞を採取します)が必要です。通常は、1〜2泊の入院で検査します。癌が見つかれば、進行度と年齢、全身状態などにより治療法(手術、放射線、内分泌療法)を選択します。手術を行う場合は、患者さんの希望を考慮した上で十分な治療実績のある施設へご紹介しています。

尿路性器感染症;クラミジアや淋菌などの性行為感染症は増加傾向にあります。特にパートナーが性感染症を発症した場合は、同時に検査・治療を行う必要があります。

過活動膀胱・腹圧性尿失禁;おしっこが近い。一旦、尿意をもよおすとトイレまで我慢できない。
咳をしたり重い物を持つと尿が漏れる。などの症状がある場合は、薬物療法や骨盤底筋体操の指導、干渉低周波治療などを行っています。

膀胱癌;痛みのない血尿が主な症状です。超音波や膀胱内視鏡で診断します。早期のものであれば、半身麻酔と内視鏡を使用して切除します。数日の入院が必要です。しかし、進行したものでは膀胱全摘出術+尿路変更手術が必要です。この場合は、患者さんの希望を考慮した上で十分な治療実績のある施設へご紹介しています。

神経因性膀胱;糖尿病や脳血管障害、脊髄損傷、直腸の手術、子宮の手術などの後に、膀胱の神経が障害されて、正常に排尿できなくなる状態です。本人の自覚障害はあまりなく、検査して初めて排尿できない尿が膀胱に貯まっていることが判ります。軽度であれば、薬物療法で排尿状態を改善させることができます。高度の障害では、1日数回、自分でカテーテルを使用して導尿する方法を習得して頂きます。

陰嚢水腫・停留精巣・包茎;1〜2泊の入院で手術を行います。この場合は、患者さんの希望を考慮した上で十分な治療実績のある施設へご紹介しています。

副腎腫瘍・腎腫瘍;他の病気の為にCT検査や超音波検査を受けたときや、人間ドックで、たまたま見つかったりすることが多くなっています。良性腫瘍と判断できれば、定期的な画像検査で経過観察してゆきます。ホルモン分泌性腫瘍や悪性腫瘍が疑われる場合は、全身麻酔下での手術が必要ですので、患者さんの希望を考慮した上で十分な治療実績のある施設へご紹介しています。

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